1、 作業計画
現場の地形・環境・周辺に建っている墓石の不同沈下状況や震災時、被害にあった墓石の破損状況を考慮し作業計画をたてます。
軟弱度が高い場合や支持力計算が必要な重量物を載せる場合は、地盤調査(図1)を実地し墓石等の重量計算後、支持力計算機関に設計を依頼、専門機関の指示に基づく地盤改良を実施します。
図1 地盤調査工程(必要に応じて実施)
2、 掘削工程
地盤の軟弱度や地盤改良のやり方に合わせ根切り深度を決め掘削を実施します。
通常作業では作業計画に基づき深さを40cm~150cmの範囲で選定します。
3、 砕石投入及び転圧工程
JIS規格の0~40mm砕石を使用し、ランマーで転圧しながら地盤を固めていきます砕石は一度に転圧する高さは20cm以内とする。また、タンピングランマーも打撃力を重視し1、390kgf以上の機材を使用しております。
図3 転圧工程
4、 地盤改良工程
過去10年間の施工データ(支持力計算)をもとに施行を実施します。
地盤改良のやり方は、軟弱度や地形に合わせて1段積・2段積、2列・3列など現場毎に異なります。
図4 地盤改良(関根石材店の標準施工)
5、 型枠及び配筋工程
13mmの鉄筋を20cm間隔で配置します。
ベタ基礎中央部の厚みが20cm以上必要な場合や重量物を載せる場合は、鉄筋を上下2段のダブル配筋とします。
過度なコンクリート厚を持たせる事は、支持力計算上不利に働くので、関根石材店では行っておりません。
図5 型枠及び配筋工程
6、 コンクリート打設
冬場のコンクリート強度30kg、それ以外の季節は、24kg以上のコンクリートを使用しております。
図6 コンクリート打設
7、 脱枠及びレイタンス除去工程
コンクリートが固まる直前、表層に余分な成分が出てきます。専門用語で「レイタンス」といいます。鍋料理のときの「アク」と思って頂ければイメージ出来ると思います。
これを取り除けば付着力が高まります。逆に言えばレイタンスがあると石材がコンクリートに付着しません。
その後、基礎側面にケイ素系の撥水剤を塗布することで、コンクリート内で結晶を作り表面強度と耐久性がアップします。
図7 レイタンス除去
図8 レイタンス除去後のコンクリート表面
8、 墓石組立工程
石材の下側に左右2本ずつ全ネジボルトを入れ、据え付けた石材のズレを防止します。
更にステンレス製L型金具を配置、結合部の開きを防止します。
L型金具を固定するアンカーは、引張試験器でテストを行い、使用する石材に適合した種類のアンカーを使用します。
図9 ステンレス全ネジボルト
図10 アンカー穴 穿孔作業
図11 トルクレンチで締め付け
図12 光度チェック(品質管理)
図13 L型金具のセット状況
図14 玉垣の剛性を高める為に支え石を施工
図15 石塔 芝台を設置
図16 完 成
おかげさまで
創業88周年